『ウェブマーケティングという茶番』に関して、本の内容が簡単に知りたいです...。という方に向けて、本記事で書評と要約をご紹介します。
- Webに関係することを何かしら始めようとしている人
- Webマーケティングという業界について何か知りたいという人
- 個人事業や趣味で、EC サイトなどのWebサイトやブログを運営している人
- 個人で、アフィリエイトをやっている人
- 中小企業でWebマーケティングを担当している人
- これからWebマーケティング業界へ就職・転職を考えている人
このような中で一つでも当てはまる読者の方は、2023年に『ウェブマーケティングという茶番』を読んでみることをおすすめします。
『ウェブマーケティングという茶番』では、Webマーケティング業界の闇に焦点を当てて書かれていて、僕自身もWebマーケティング業界にいるため、自分のことのように実感しながら読み進めることができました。
本記事では、『ウェブマーケティングという茶番』の要約と書評をまとめています。
それでは、早速見ていきましょう。
参考記事:Webマーケティングの書籍3選でも、ウェブマーケティングという茶番の他におすすめしたいWebマーケ本を厳選しています。
ウェブマーケティングという茶番の構成や目次など
まずは、『ウェブマーケティングという茶番』について簡単な情報をまとめました。
本(書籍)の概要
著者:後藤 晴伸。青山学院大学を卒業した後、凸版印刷株式会社へ。その後大手企業の紙媒体を中心とした広告制作、大手インターネット広告代理店、SEMコンサルタントを経て、取締役としてウェブマーケティング会社の立ち上げに参画された。2014年に独立し、後藤ブランド株式会社を設立し、2016年に、「ウェブマーケティングという茶番」(幻冬舎メディアコンサルティング)を出版。その後も、書籍の反響から、下請け案件を専門とする子会社、株式会社グランデッツァを2018年に設立し、ウェブマーケティングに関する講演など幅広く活躍されている。
単行本:219ページ(Kindle版あり)
出版月:2020/3/3
出版社:幻冬社
定価:本体880円(Amazonソフトカバー)、704円(Kindle版)/2021年時点
目次
第1章:まったく効果がないウェブマーケティングというまやかし
第2章:広告代理店、SEO会社、制作会社、コンサルティング会社。 実態のないビジネスで暴利をむさぼる素人集団
第3章:問題は、依頼先だけにあらず。 丸投げ体質の依頼者たちが、ウェブマーケターの"カモ"
第4章:結果を出せない会社は、3カ月で切れ! 費用対効果を正しく見極める、ウェブマーケティングの基礎知識
第5章:ウェブ(Web)の知識がなくても見破れる! 素人集団の化けの皮をはがすチェックポイント
第6章:問い合わせ増加で喜ぶな。ウェブマーケティング(Webマーケティング)は、売上を劇的にアップさせる最強の武器
第7章:ウェブマーケティング(Webマーケティング)を有効活用して 売上をアップさせた成功事例
内容は、Webマーケティングの基礎やWebマーケティングに関する考え方などよりは、Webマーケティング業界に関する実態や本質的に懐疑的な部分などを言及しています。広告代理店、SEO会社などは「実態のない」とまで表現しており、効果や売り上げなどの実際の結果に結びつくものなのか、そうでないのかを厳しい視点で批評しています。
筆者自身がWebマーケティング業界に長くいたことから、生々しい実態を暴く形で全体を通して書かれている印象です。
この本(書籍)を読めば、Webマーケティング業界とはどういうものか、売り上げアップさせる成果主義となった時にどういった視点が必要か、といったWebマーケティング職を考えていたり未経験の方々には新鮮な裏事情が理解できるのではないでしょうか。
僕が新卒でWebマーケティング業界で働き始めたときのこととリンクして、あるあるな内容ばかりでしたね。
ウェブマーケティングという茶番の要約まとめ
それでは、『ウェブマーケティングという茶番』の要約をみてみましょう。
ウェブマーケティングという茶番
- 広告代理店、SEO会社、制作会社といったWebマーケティング会社の実態
- Webマーケティングを依頼する際は依頼者側もWebリテラシーがある程度必要である
- Webマーケティングで売り上げアップさせる方法について
それぞれ見ていきましょう。
広告代理店、SEO会社、制作会社の実態
Webマーケティング会社の実態とは
Webマーケティング会社の実態が描かれています。
ネタバレになってしまうので、僕自身も経験したWebマーケティング会社の実態についてまとめてみました。
「Webマーケティング会社の実態」
- 「成果を明示しない」:成果としてどれくらいの獲得件数が出るか、と明示することは当たり前ですが、それすらもしない。
- 「広告費を消化するだけの広告運用」:目標の獲得件数が取れさえすれば、あとは予算として受け取った広告費を消化する作業になる。
- 「売り上げを伸ばす提案はしない」:売り上げを伸ばす、という一番重要な目標を見失い、数字遊びになってしまう。
これらはほんの一部ですが、Webマーケティングで一番重要な「集客や売り上げをより増やし、広告はあくまでも手段である」という考えがないWebマーケティング会社は多いです。業界形態として、有名な会社であれば一つのWeb会社にクライアントが集まり、Web担当者が複数の案件を捌いているという実態があるので、経験則としてもこのような粗末なアカウント管理がされることはよくありました。
これについては、Webマーケティングを広告代理店に頼んで失敗するケースが多いことの理由でもあります。
Webマーケティングを依頼する際はWebリテラシーがある程度必要
Webマーケを依頼する前にWebマーケを学ぶ必要がある
Webマーケティングは複雑で難しい知識やノウハウが必要な分、外注して丸投げしたくなるのも分かりますが、餅は餅屋の精神でなんでも依頼してしまうと、後から痛い目に遭うということはよくあります。車の修理をお願いするときのように、車の修理方法は知らなくても「車を何が問題なのか、どう修理してどのような車にしていきたいのか」という見通しが持てるくらいのWeb知識はある程度必要です。
「Webマーケティングを依頼するときに必要なこと」
- 「丸投げは厳禁」:全て任せるという経営判断は、必ずWebマーケティングにおいては失敗します
- 「Webマーケティングの基礎知識は独学しておくこと」:事前にWebマーケティングの知識は身につけましょう、本など学習教材はあります。
- 「Webマーケティングによる目標を明確に持って伝えること」:目標は明確に持って、それをWebマーケ担当者に伝えましょう。
自社のWebマーケで掲げる目標(KGI)は何か、どれくらいの集客や獲得があると良いのか、それはいつまでに必要なのかを考えることが大切です。僕も「5W1H」の視点は常に持って提案をするようにしていますが、そのようなWeb担当者を見つけて、提案を引き出せるような話し合いができることが理想だと思います。
Webマーケティングで売り上げアップさせる方法
Webマーケティングの本質的な狙いは、Web集客と売り上げアップに帰結します。
Webマーケティングから問い合わせが来たことは一見喜ばしいことですが、その後にどう繋げるか、どう活かしていくかが重要なポイントです。その売り上げアップのための考え方や実際の具体的な売り上げアップの事例が、本書では書かれています。この章だけでもリアルな事例を見ることができて、価値があると思いました。
自社の課題と照らし合わせて、実際に売り上げを上げるためのWebマーケティング戦略を考えるきっかけになるのではないでしょうか。
ウェブマーケティングという茶番の書評
最後に、「ウェブマーケティングという茶番」の書評をご紹介していきたいと思います。
まず率直な感想として、Webマーケティング会社の実態などの裏事情が辛辣に書かれているということです。
Webマーケティングに関しての情報がありふれている中で、自分ではWebマーケティングを学びきれない、または外注をした方が早そう、という悩みを抱えている企業や個人事業主は多いと思います。しかし、だからと言ってWebマーケティング会社へ丸投げしたり、何も考えずに依頼するということはリスクがあるということがこの本を読めば分かります。
「センスなし」「手抜き」「能力に不安」、「悪しき業界」といった言葉が並んでいますが、僕はそこまでWebマーケティング会社が悪いというイメージは持っていません。むしろ本書でも書かれているように、依頼する立場の担当者も、明確にWebマーケティングに対する理解を深めてその上でパートナーとして組んでくれるWebマーケティング会社を探すべきだと思っています。
また、実際に売り上げを上げるという目標を持った時に、どうすれば良いかといった具体的な方針や、実際の事例まで書かれているので、単に批判的な内容だけでないアクションプランまで想像することができるのも良いポイントであると思いました。
- 純粋にWebマーケティング業界に興味がある方
- 現在またはこれからWebマーケティング会社にWebマーケを依頼しようと考えている方
- 今後どうパートナー企業とWebマーケティングを取り組んでいけばいいか模索している方
このような方には本書でおおよそ理解できるかと思いますので、ぜひ一度読んでみることをおすすめしたいです。
まとめ:ウェブマーケティングという茶番は「Webマーケティングの実態と売り上げアップの方法」
「ウェブマーケティングという茶番」は、Webマーケティングの実態や裏事情、また筆者の経験に基づいた具体的な売り上げアップの方法や事例などを学ぶことができるWebマーケティング業界のリアルな側面の強い本であると思いました。
僕自身もWebマーケティング企業出身かつ現役ですが、客観的に見てもWebマーケティング業界の実態を辛辣に描いているという印象でした。しかし、そこまで悪くない会社やWebマーケティング担当者もたくさんいるということだけは最後にお伝えしたいです!
最後に、本書ウェブマーケティングという茶番に関する情報やその他オススメの本も以下の記事からどうぞ。
Webマーケティング業界に興味がある方は、ぜひ一度読んで見ることをオススメします!
【単行本】<ウェブマーケティングという茶番>
【Kindle版】<ウェブマーケティングという茶番>
Webマーケティングの未来予測
Webマーケティングの仕事はなくなるのですか?Webマーケティングの将来性と未来を予測しました。Webマーケが今後どういう面白い世界に変わっていくか、一緒に考えてみませんか?