『BtoBウェブマーケティングの新しい教科書』に関して、本の内容が簡単に知りたいです...。という方に向けて、本記事で書評と要約をご紹介します。
- BtoBでビジネスをされている企業の方
- インターネットを活用した営業やマーケティングを行なっていきたい方
- Webマーケティングを自社で活用して営業力や集客を強化していきたいと考えている方
- 経営の中で、営業力を仕組みで解決していきたいと考えている方
- Webマーケティングを活用して営業プロセスを戦略的に構築していきたいと考えている方
このような中で一つでも当てはまる読者の方は、2023年に『BtoBウェブマーケティングの新しい教科書』を読んでみることをおすすめします。
『BtoBウェブマーケティングの新しい教科書』では、Webマーケティングを営業に活用していくことに焦点を当てて書かれていて、単純なWebサイトのリニューアルや改善はWebマーケティングとは言わず、営業力を強化したり営業プロセスを戦略的に構築するためのツールとして使うことが重要であると書かれています。
本記事では、『BtoBウェブマーケティングの新しい教科書(営業力を飛躍させる戦略と実践)』の要約と書評をまとめています。
それでは、早速見ていきましょう。
関連記事:Webマーケティングの書籍3選で、BtoBウェブマーケティングの新しい教科書を含む人気本をまとめています。
BtoBウェブマーケティングの新しい教科書の構成や目次など
まずは、『BtoBウェブマーケティングの新しい教科書』について簡単な情報をまとめました。
本の概要
書名:BtoBウェブマーケティングの新しい教科書 営業力を飛躍させる戦略と実践
著者:渥美英紀
株式会社ウィットの代表取締役をされている。BtoBビジネスにおけるさまざまな業界の売上アップ貢献やブランドの強化、営業の改善など、数々のプロジェクトを担当された経験を持つ。そのほか、アクセス解析のためのシステムやメール配信システムなどの開発も手がけた経験から、Webマーケティングの遂行に必要な広範囲な専門的な知見を生かし、「総合的」なWebマーケティングの支援を得意とされている。
単行本:224ページ(Kindle版あり)
出版月:2017/1/21
出版社:翔泳社
定価:本体2,178円(Amazonソフトカバー)、1,089円(Kindle版)/2021年時点
書籍の目次
Chapter1(第一章):【準備編】BtoBのウェブマーケティングとは?
Chapter2(第二章):【戦略編】自社のあるべきモデルを考える
Chapter3(第三章):【戦術編】戦略を実現する作戦を練る
Chapter4(第四章):【推進編】成功確率の高い仕組みを作る
Chapter5(第五章):【まとめ】
内容は、以下のようなポイントで書かれています。
- 自社における現状の課題(営業やWebマーケティング)を正しく捉えることができるようになる
- Webマーケティングや営業力強化の概念だけでなく、具体的な改善ノウハウがわかるようになる
- これから自社において段階的に取り組める対策を検討できるような実践的なことを知ることができる
よくありがちな単なるWebサイトのリニューアルや改善や純粋なツール導入では、何も解決することができず、それだけではウェブマーケティングとは呼ばないと本書では言っています。重要なことは、自社のBtoBウェブマーケティングの戦略と戦術を決めて、それに基づいてWebマーケティングを活用しながら総合的に進めていくことであるといいます。
また、本書の対象として以下のような課題感をお持ちの方々にも読んでいただきたいです。
- 自社のもつウェブサイトを、Webマーケティングのために最適化した活用方法を見出したい
- Webコンテンツを顧客の目的に合わせたものにチューニングしたい
- 一度Webサイトに訪れたり、接点を持った顧客を逃がさないようなWeb上の集客動線を作りたい
- 引き合いからのリード(リードナーチャリング)が次の商談へつながらないため、商談成立までのプロセスを構築したい
- 部門間の連携が取れていないため、営業力強化のためのWebマーケティング活用を検討したい
本書では、Webマーケティングを営業力強化のために活用していくという、BtoBに関わらずセールス戦略を考える上であらゆる企業に生かせる総合的な内容が書かれているという印象でした。
この本(書籍)を読めば、WebマーケティングをBtoBマーケティングに活用するとはどういうことか、営業力強化のためのWebマーケティング活用とは具体的に何をするのか、営業プロセスを戦略的に構築するための手法が理解できるのではないでしょうか。
BtoBウェブマーケティングの新しい教科書の要約まとめ
それでは、『BtoBウェブマーケティングの新しい教科書』の要約をみてみましょう。
BtoBウェブマーケティングの新しい教科書
- Webマーケティングの活用以前に、自社の営業手法や体制への課題意識
- 自社のとるべき営業プロセスなどのモデルを定義し、そのモデルを推進するための戦略と戦術を構築していく
- 強い営業力とは何か、またそれをWebマーケティングで実現するための方法
本書を3ポイントでまとめました。この3つについて、それぞれ見ていきましょう。
Webマーケティングの活用以前に、自社の営業手法や体制への課題意識
自社の営業には何が足りないのか、古い営業マンはもういらない?
まずは、本書でも「準備編」として書かれている、BtoBのWebマーケティングを行う上で自社の課題を把握することから始まります。
課題は筆者である渥美英紀氏が実際に経験した失敗に基づくものですが、どの企業にも当てはまるのではないでしょうか、課題を以下にまとめました。
「BtoBマーケティングの課題」
- 「営業と連携できていない」:Webマーケティングでリード(問い合わせなどの新たな引き合い)を獲得しても、繋げることがうまくできていない。
- 「案件化しない問い合わせばかりが増える」:新規の売り上げが上がるような問い合わせがないため無駄なコストばかりが増えてしまう。
- 「Webマーケティングでどこを強化すべきか把握していない」:Webマーケティングは自社の何の課題を解決するために使うのかを把握していない。
これらはBtoBマーケティングで多くの企業が抱える課題ではありますが、Webマーケティングを活用する上で「自社のどんな課題を解決するのか、それはどういったプロセスで実現できるのか」という戦略的な考えとそれを実行するための戦術を描ききれていない企業が多いです。そういった理由で、Webマーケティングを広告代理店に放任して失敗するなど、多く目にしてきました。
BtoBマーケティングでは、本書で書かれている営業との連携(ブリッジング)がWebマーケティングでは重要な考え方で、それが自社でできているのか、という問題提起から始まっています。
上記の課題感を、読者の方の今いる企業の営業体制に当てはめて考えてみてください、きっと同じような課題が浮き彫りになってくるのではないでしょうか。
自社のとるべき営業戦略と戦術を考えていく
営業プロセスを戦略的に描き、そしてそれを戦術に落とし込み仕組み化する
まずは自社の営業課題は何かを把握することが重要です。営業が本当に欲しい情報に対して、Webマーケティングで集めることができれば、営業へ良い集客のサイクルを作り出すことができます。その大きな流れを自社に最適化された営業プロセスとして仕組み化することができれば、Webマーケティングというインターネットを使ったマーケティング技術で営業力を推進することができるのです。
「営業プロセスの可視化のためのフレームワーク」
集客(集客のためのリストにアプローチする)
↓
コンテンツ設計(自社のWebサイトに訪れたユーザーに対してキーメッセージやキーコンテンツを設計する)
↓
コンタクトポイント(問い合わせから受注にかかる提案などの顧客との接点を明確にする)
↓
リードナーチャリング(リードから顧客情報や商談情報をデータとして蓄積し、再アプローチ先を検討するなど活用する)
↓
集客リストへの再アプローチ
営業プロセスを可視化するということは、企業の営業担当者の方でも今までしっかりとしたことがある方は少ないのではないでしょうか。実際に自社の営業プロセスを可視化してみると、意外なポイントでサポート体制が不足していたり、データ蓄積のプラットフォームが体系化されていなかったりする問題を見つけることができるのではないかと思います。
強い営業力とは何か、またそれをウェブマーケティングで実現するための方法
Webマーケティングを活用した営業力強化のためには、部門間連携が重要であると書かれています。
今までの要約①〜②で戦略と戦術まで描いても、実際に実行や推進のタイミングではWebマーケティング部門だけではなく、社内の経営層や営業部門と連携しなければ進めることが難しいからです。
その際に注意すべきポイントを3つまとめています。
- 小さくても成功を収め、その成功に基づいて仮説が有効であるかを検証していくこと
- これから実行する計画を、誰から見てもわかりやすく提示すること
- 計画を数字(金額に換算して)で表現
社内を説得できるように明確な目標や実績を蓄積して行って、徐々に協力者を集めていくということは社内で新しいことを始めたりする際にはとても重要なことですよね。
このように、BtoB Webマーケティングには、戦略や戦術を描くところから、実際に社内にそれらを浸透させるための具体的な方針も理解できそうです。
「BtoBウェブマーケティングの新しい教科書」の書評
最後に、「BtoBウェブマーケティングの新しい教科書」の書評をご紹介していきたいと思います。
まず率直な感想としてこの本を読んで、BtoBのWebマーケティングは営業力強化のための手法であるということを改めて実感することができました。
企業のWebマーケティングとして、個人を相手にするBtoCのマーケティングでは、確かにGoogleなどのWeb広告や顧客へのプロモーション活動によって売り上げを作ることができるかもしれませんが、BtoBとなると社内全体で協力しながら取り組んでいく必要があります。
商品やサービスの良さを伝えるのはWebサイト上では限界があります。そのため実際に営業マンが決済者に対してアプローチをして、サービスや商品について納得してもらって、初めて売り上げを作ることができるという点が、toCとtoBでは大きく違います。
本書からの気付き
- 営業力を飛躍させるための仕組みづくり
- 自社に相応しい営業モデルを構築すること
- 強い営業にする社内での連携
上記のように、営業モデルを構築することこそが営業力強化のための重要なポイントだと理解できました。
まずは集客のためのリードジェネレーション、その後の営業へのブリッジング、そして最後に再アプローチまでの営業プロセスがあります。それらが有機的につながることで営業力を飛躍させ、ひいては継続的な売り上げアップに貢献することができるということがよく分かると思います。
また、本書の構成に関しても、図解やToDoリストのような具体的な取り組むべき項目も明示してくれているので、自社に当てはめて今後実践することができるようになっていることも良いと思ったポイントです。
本書をおすすめしたい人
- BtoBビジネスをされている企業の方
- これからビジネスの中でWebマーケティングでの集客に取り組んでいこうと考えている方
- 新規顧客獲得や既存顧客への再アプローチなど、営業力強化のための手法を模索している方
このような方は本書を読むことで、現状の課題の再認識や改善点を見つけるきっかけになると思いますので、ぜひ一度読んでみることをおすすめしたいです。
まとめ:BtoBウェブマーケティングの新しい教科書は営業力を強化する書籍
「BtoBウェブマーケティングの新しい教科書」は、BtoBビジネスをされている企業だけでなく、営業部隊を持つあらゆる企業でWebマーケティングを活用した営業力強化のためのノウハウが分かる本であると思いました。
Webマーケティングを活用した営業力強化のためには、営業部門との連携がとても重要であるということを再認識しました。
僕自身も新卒でWebマーケティング業界に入りましたが、社内で推進する際には、必ず営業とのコミュニケーションがありました。その時には衝突もありましたので、社内全体で一体感を持つためのノウハウとしても良い学びになりました!
最後に、BtoBウェブマーケティングの新しい教科書に関する情報やその他オススメの本も以下の記事からどうぞ。
Webマーケティング業界に興味がある方は、ぜひ一度読んで見ることをオススメします!
【単行本】<BtoBウェブマーケティングの新しい教科書 営業力を飛躍させる戦略と実践>
【Kindle版】<BtoBウェブマーケティングの新しい教科書 営業力を飛躍させる戦略と実践>
Webマーケティングの未来予測
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