多くの人がSNSを使う時代になってきましたが、実はSNS嫌いな人もたくさんいます。そういった人達がSNSを嫌いになった理由は何なのでしょうか?
複雑な人間関係に心労を感じるというようなSNS疲れを理由に挙げる人もいれば、そもそもSNS自体を好きになれなかったという人もいます。このような理由で、最近SNS断ちする人がコロナ禍で増えています。
SNSを嫌いになった理由は、男女それぞれの心理や性格の違いでバラバラです。この記事では、SNSが嫌いな人がどういった理由で嫌いになったのかを、男性と女性とで別々の特徴から紐解いていきます。
SNS嫌いな有名人の例
身近なあの人も実はSNS嫌いだったという事実に、意外に思う人はいるかもしれません。例えば、芸能人の田中みな実さんは、自身の出演するバラエティ番組で、SNSをしない理由について告白しました。
幸せアピールしても叩かれるだろうし、嫌われアピールしても、リア充アピールしても、何やってもダメじゃないですか。嫌われる人は何やってもダメなんですよ
exiteニュース「SNS“やらない”理由が話題の芸能人3人」
他にも、蒼井優さんや北川景子さんも同様に、SNS嫌いであることをコメントしていました。テレビや雑誌などのメディアで露出が多い有名人だからこそ、SNS上であらぬ噂や様々な意見を、四方八方から浴びせられることに嫌気がさすことは多いのでしょう。
海外でも、ハリーポッターで有名なエマ・ワトソンさんもSNS嫌いな一面を発表しています。
Social media is "equal parts are depressing and terrifying and equal parts are empowering and thrilling,"
ソーシャルメディアは憂鬱と恐ろしい面が同じようにあって、また力を与えると同時にスリリングなものなんです。
ELLE「Not Even Hermione Is Impervious To The Soul-Destroying Power Of Social Media」
エマ・ワトソンさんは、InstagramやTwitterで自分自身をキュレーション(寄せ集める)ことに特に危機感を感じていました。SNS上に完璧な姿を演出することで良いねやコメントをもらうことに虚しさを感じたのです。
ソーシャルメディアは本当の意味で自分らしさを表現できる場ではないと、セレブである彼女たちも感じています。
SNS嫌いな人がSNSを嫌いになった理由
理由1:SNSをやる時間は必要ないと思ったから
一日の中でSNSにどれだけの時間を使っているか考えたことがありますか?実際のデータによると、全世代で一日あたり平均して1.2時間もソーシャルメディアに時間を費やしていることが分かりました。1週間では約10時間、月に40時間もSNSで時間を無駄にしているということです。
実際にSNSに割く時間についてどう感じているか、高校1年生の男性が以下のような意見を述べていました。
僕は、SNSをやるのは時間の無駄だと思っていますし、メールで連絡がとれれば、そんなものをやる必要は無いとも思っています。
時間は無限にあるかもしれませんが、人が生きることの出来る時間は有限なので、僕は、暇な時は勉強や運動をして、SNSで友達とだらだらと無駄な会話をするよりも、少しでも有意義な時間を過ごしたいと思っています。
Yahoo!知恵袋「SNSは時間の無駄か?」
男女の心理としては、女性は過程を重視する傾向がある一方で、男性は時間を投じたものに対してできるだけ成果を求めるようです。
SNSで時間を浪費することに疑問を持って、10代でソーシャルメディアに触れ始めたときからSNSが嫌いになった人は多くいます。
理由2:自己肯定感が下がるから
自己肯定感とは、自分が価値のある存在で、自分の良いところを認めるという感覚のことです。
もしも他人と比較する傾向がある人であれば、なおさらSNSを避けるようになるでしょう。SNSを見ていると、FacebookやInstagramで、華々しく幸せそうな日常が投稿されていて、自分の人生が小さなものに感じてしまいます。
実際に、『自己肯定感を育てるたった1つの習慣』という著書を出された植西氏はその本の中で、自己肯定感が低い人の特徴について次のように言っています。
自己肯定感が低いと、自分のことを「価値のない人間だ」と思ってしまう。そうなると、壁にぶつかったときに「どうせ私なんて、何をやってもダメ」と、自分を卑下してしまいがちになる。
Livedoor NEWS:「人と比べてしまうから自己肯定感が下がる」SNSをやめた方がいい人
他の人の生活やリア充な日常を見ることが嫌になって、SNS疲れを感じ、SNSから離れていった人はたくさんいます。
特にこれはSNS嫌いな女性に多い傾向で、Instagramにいる自己顕示欲が高い、いわゆるインスタキラキラ女子達による女子力争いに疲弊したということがよくある話です。
SNSのタイムラインで流れてくる他の人の幸せに映る投稿が気になるのであれば、次第にソーシャルメディアを見ているのが辛くなってきてしまうのでしょう。
理由3:表面的な関係にSNS疲れを感じたから
SNSでつながっている友人や知人の数の平均は294.7人というデータがありますが、この友達は本当の友達と言えるのでしょうか?
一方で実際に親友と呼べる人はどれくらいいるのかをアンケートした調査では、濃い親友は2人と答えた人が最も多く、全体の31.2%でした。
ソーシャルメディアを使っていると、プロフィール画面の情報や投稿される写真や近況を見ることで、その人の人となりやバックグラウンドを実際よりも知っているように感じます。
しかし、それはほとんどの場合勘違いであると言えるでしょう。というのもSNSで発信する内容は、その人の本当の日常から、人から見て最も綺麗に見える部分だけを切り出したものだからです。本当の親しい友人とのコミュニケーションは、楽しい話題もあれば、時には衝突するような個人的な意見もあるはずです。
特に女性の場合、他人に共感を求め、また同調することを好む傾向があるため、表面的なSNSの繋がりになっていることに気づいてSNS嫌いになり、SNSをやめた人も多いようです。
理由4:プライバシーの危険を感じたから
あなたがSNS上でどのようなものを閲覧し、投稿し、そしてさらにはどこにいたかなどの位置情報を元に、広告が表示されているのをご存知でしたか?これは専門的には、Web広告の用語でターゲティング広告と呼ばれる広告手法です。
そしてこの行動履歴に基づいた広告に対して消費者がどう感じているかをアンケート調査した結果、「不安」または「どちらかといえば、不安」と回答した人は、全体の53.1%にも及びました。
また、こういった広告に対して、個人情報がサービス提供者側にどれだけ吸い上げられているのかをもっと明瞭にして欲しいと感じる消費者は多いです。
このように、SNSを使うことで勝手に情報を抜き取られているという気持ちの悪さを感じてソーシャルメディアから遠ざかる人達もいます。
理由5:SNSではネットいじめや誹謗中傷があるから
ソーシャルネットワーク上のコメントや書き込みで、嫌がらせを受けたり仲間外れといったいじめ行為を受けた事例が相次いでいます。
特に思春期の小学生や中学生、高校生の生徒たちがこのような問題に直面しています。具体的に、つぎのようなケースが有りました。
・複数の児童がニックネームを使って、「総合口こみサイト」上の掲示板に、 同じクラスの特定の児童のことを、個人を特定できるような形で誹謗・中傷す る内容の書き込みを行った。
・ある女子生徒は、本人の知らないうちに自分の名前を使われ、「私は男好き で、いろいろな人と出会いたいと思っている」などの内容のメールを、不特定 多数の生徒に送信された。
文部科学省:ネット上のいじめに関する事例
ソーシャルメディアを使って誰かに悪口や脅しを行ったり、無視や仲間外れ、個人の秘密や個人情報を流出させるといった問題は、SNSが普及し始めた2010年辺りから増え続けています。
特に周囲の影響を受けやすく、感受性の強い10代のティーン・エイジャーには、このようなSNSいじめに悩んでいる人が多くいます。ソーシャルメディアを始めたばかりの若者は、このような被害を受け心に傷を負い、SNS嫌いになることがあるのです。
もしも自分がスマホアプリを開いて嫌な思いをするようであれば、心を安静にするためにもSNSはやらない方が良いでしょう。
理由6:仕事探しに悪い影響があるから
あなたのSNSは、企業の採用担当者が事前にチェックしている可能性があることを考えたことがありますか?SNSで発信している内容によっては、新しい仕事に就く時や求職活動で悪い評価を受ける原因になり得ます。
リクルーティングに関するレポートによると、採用担当者の48%は、SNSなどのオンライン上の投稿で綴りや文法が不十分だと応募者の選別に悪影響があると述べました。
また、SNS上での肌の露出が多い投稿、自撮り写真の投稿頻度なども、候補者を調査する時の判断ポイントにしていることが分かりました。
もしも自分がやりたい仕事に対して、スキル以外でマイナスな評価を受けたくないと思う人は、SNSで分別のない投稿をしない方が賢明でしょう。
理由7:ネガティブになって不幸になるから
ソーシャルメディアで発信される内容は、人々の抱えるストレス、妬み嫉み、仕事の愚痴、他人の悪口、離婚や失恋などの話ばかりです。そういった内容の投稿ばかり目にしているうちに、見ているだけで感情にマイナスの影響を受けるようになります。
スウェーデンの研究機関が発表した論文によると、特に女性の場合、SNSを頻繁に使っていると、精神的な健康状態が悪化する可能性が高くなることが分かりました。
ソーシャルネットワークの利用とメンタルヘルスの問題は古くから研究されていて、実際にうつ病や精神的な問題に関係があることが一部の研究で示唆されています。
本来ソーシャルメディアは楽しむためにやるものですが、もしSNSを見ていてもネガティブになって幸せを感じないというのであれば、それはSNSを嫌いになるもっともな理由になるでしょう。