Webマーケティング職はしんどいと聞くことがありますが実際はどうなのですか?Webマーケティングの仕事には、大変な部分やつらいと感じる時ももちろんあります。
一度考えてみてほしいことは、一日中デスクに座ってパソコンでメールを返信するだけの仕事があったとしたら、それは大変であると言えますか?
僕は、パンを袋に詰めるだけの作業を一日中するというある仕事をしたことがあります。そして、それを一ヶ月続けただけで、こんなにも自分にとって辛い仕事はないと感じました。
どんな仕事にも、大変なことは必ずあるでしょう。考えなければいけないのは、その仕事が自分にとって合っているかということだけです。
結論から言うと、Webマーケティングの仕事内容を学ぶのが大変なのは初めだけです。その後は、僕にとって最高に面白い職業になりましたし、デジタル時代の中でもWebマーケという将来性のある仕事に就けて、本当にラッキーだったと思っています。
本記事では、2023年現在も現役のWebマーケターである僕が、Webマーケティングという職種の大変さや辛さから、逆に楽しいことや面白いことについてまで、2023年最新の業界情勢も踏まえて全てお話してきましょう。
Webマーケティングが激務であると言われた時代は終わった
Web業界や広告のマーケが激務化したという話は本当ですか?いいえ、正確に言えば、過去にはそうだったというのが正しい答えです。
Webマーケティングで最もイメージしやすいのは、広告を取り扱う電通や博報堂などの広告代理店ではないでしょうか。彼らの忙しそうな雰囲気から、一括りにWebマーケティング業界は激務だと考えるのは少し違います。
Web広告業界が激務であったという問題は、この業界構造に原因がありました。広告を扱うビジネスは、広告を出したい企業の代わりに、広告を出稿するお手伝いをする仕事です。そして、広告を代わりに出してくれた謝礼として、広告料の一部を手数料マージンとして受け取るという仕組みです。
少し難しいですか?簡単に例を挙げるので、あなたが仮に子供であると想像してください。母親から1,000円の買い物を頼まれたあなたは、買ってきたお駄賃として100円を受け取る。このようなイメージですね。
つまり、広告主のために代わりに動き、わずかな利益を受け取る、これをできるだけ多くこなしていかなければいけない、ということです。
だからこそ、多くの人手が必要でしたし、数多くのクライアントの進行管理もつらいことでした。しかし、今ではその業務もかなり軽減されています。
その理由は、技術や管理ツールがどんどんデジタル化しているからです。アナログな管理や広告運用も少なくなり、今ではAIや自動化ツールが業務に使われています。
Webマーケ業界が激務だった時代はもう終わりました。今では、効率化した仕事を、仕組みとしてスピーディーに回すことができるWebマーケティング会社ばかりです。まずは、これまで持っていたWebマーケ業種への印象を変えていきましょう。
Webマーケティングは何が大変なのか?つらいのは初めの半年だけだった
Webマーケティングならではの大変さはあります。経験談として、僕も未経験からWebマーケティングを始めて、仕事を覚えるまではとても苦労しました。
ですが、Webマーケの仕事を大変だと感じるのは、本当に初めだけであったと今でも思います。それを確証したのは、Webマーケティング以外のSEOコンサルやB to Bマーケティングの仕事を始めた時です。(BtoB Webマーケティングについての記事も参照ください。)
Webマーケティングでない仕事を始めた時も、同じように大変で辛かったのです!ここで僕が実感したことは、どんな仕事でも、自分が知らない事を学んで身につけるのは、簡単なことではないということです。
Webマーケティング以外の仕事でも同じように大変なこと
- 今まで取り組んでこなかった新しい仕事を始めること
- どんな仕事なのかを理解すること
- 仕事で必要な知識を勉強すること
それではなぜ、Webマーケティングの職業は大変な職種であると一般的に誤解されるのでしょうか?理由はシンプル、それは「Webマーケティングは何をしている仕事か分かりづらい」からです。
Webマーケティングという仕事に就いたことがない人にとって、Webマーケは未知の領域であると言えます。地球人が火星に降り立つと、そこには異星人であるエイリアンに遭遇するという妄想のように、未経験の分野で先行するイメージは難しそうだという感覚ですよね。
というのも、Webマーケティングでググると出てくるWebマーケ用語は、CPCやCPA、コンバージョン率、ランディングページといった横文字だらけ。これでは、何となくWebマーケを理解し辛いと感じるのは無理はありません。僕も同じようにそのように感じていました。
しかし、本当のところは違いました。こういった専門用語は、Web業界の共通言語として便利だからあるだけで、これを知らないと仕事ができないというものではありません。つまり、座学でできる知識を学ぶのは大変ではないということ。
僕の場合、Webマーケティングがどういう仕組みかという全体像を理解するのに半年ほどかかりました。これが最も大変だったことです。
Webマーケティング業界に入って一番大変だったこと
- Webマーケティングとは何のこと?全体像を知ること
- そもそもマーケティングとは?
- なぜ今、会社・企業にとってWebマーケティングが必要になっているのか?
- Web制作会社やメディア運用企業、広告代理店など、Web業界の構造を理解すること
さらに言えば、この考え方を知る方が、知識を学習するよりも、数倍も大切なことです。
これが建前で言っていることだと感じる人もいるかもしれません、Webマーケティングという仕事自体で、大変な・辛いことをもっと知りたいですか?
確かに、他の仕事でも辛いことがあるのは同じだという前提でも、Webマーケティングならではの辛さはあるでしょう。
参考記事:Webマーケティングとは?についての初心者向けの基礎的な知識を解説しています。
次の章では、Webマーケティングの仕事をしているなかで、業界独特なしんどいと思う瞬間についてお伝えしていきます。
Webマーケティングでしんどいと思う5つのこと
Webマーケティング業界ならではのしんどいことって何ですか?
未経験からWeb業界に就職し、今でも現役であるWebマーケターの僕が、体験談として包み隠さずお話しすることを約束します。
これからお伝えする内容は、Webマーケ職に特有の、大変であることの全てです。
1. 新しい情報のトレンドがすぐにやってくる
僕がWebマーケで新卒で就職した時、Web広告といえばGoogleとYahoo!が2強の時代で、他のメディアはほとんど使われていませんでした。
しかし今では、読者の方も想像できるように、YoutubeやLINE、Twitter、Instagram、TikTokなどのSNSを使った広告も主流になってきています。
これは、たった3年足らずで変化したことのごく一部です。Webマーケティングの世界では、常に新しい情報や潮流が押し寄せてきて、すぐに今までやってきたことが陳腐化(古いものになる)してしまいます。
時代に乗り遅れるな、トレンドに追いつけ、これは業界の煽りなどではなく、Webマーケターたちの焦りの声です。
Webマーケティング業界に身を置いたら、新しい流行やニュースをいつもチェックしていなければいけません。もしも自分の仕事が古流のものになっていると気がついたら、すぐにやり方を変えて新しいことにチャレンジしていかなければいけない。
このように、同じWeb業界でもずっと同じような仕事ができないということは、とてもしんどいことです。
2. 無限に頭を使う(左脳と右脳の両方大事)
読者の方(あなた)は左脳タイプですか、右脳タイプですか?Webマーケティングでは、左脳(論理思考力、数字分析力)と右脳(感覚的な想像力)のどちらも重要になります。
僕は元々文系出身だったのですが、残念ながらどちらの能力にも乏しく、ここは一番苦労した大変な部分でしたね。左脳は計算やロジカルな考え方ができる理系の人が強く、右脳は絵を書いたりデザイン思考ができる芸大出身の方などが強い領域です。
Webマーケティングでは、どちらも必要な考え方です。というのも、日々の業務の中で数字を元に分析をしたり、どうやったら商品が売れるようになるのだろう?というような発想力も大事になるからです。
そのため、マーケター全般的に必要不可欠なスキルとして、この論理的な部分とセンスの部分、どちらもバランス良く持っていることが大切になるのですね。
しかし幸いなことに、どちらもお世辞でも才能があるとは言えない僕でも、何とか考え方のコツは身につけることができたので、ここはなんとかなるから安心してほしいとお伝えしたい。
3. 仕事のお客様(クライアント)は企業である
仕事のお客様は誰ですか?アパレルの店員さんや美容師をイメージしてください。彼ら彼女らのお客様は、一般消費者である個人(B to Cと言う)になります。一方で、Webマーケの取引相手は法人である企業や会社(B to Bと言う)になります。
ここで勘違いしてはいけないのは、マーケティングする商品を最終的に届けるのは消費者ですが、一般的に仕事の依頼を受けるのは企業からになります。(ブランドを持っている事業会社にいるマーケターは別ですが)
このような、仕事をする相手が誰であるかという視点は、ビジネスを考える上で非常に重要なポイントです。消費者を相手にする場合は、自分たちの商品が売れれば良いわけですが、企業が相手になると話は違います。
仕事をする相手企業の担当者は、「いかに売上を伸ばすか」、という視点をシビアに見てきます。そのため、何としてでも成果をあげることを、私達Webマーケターに求めているのです。
特に、Webの営業マンがきついという話や、マーケ全てを統括するWebディレクターはしんどいとよく聞きます。お客様であるクライアントと直接コミュニケーションを取る事が多いため、営業とディレクション(進行管理)業務にはつらい部分や、きつい側面があるのですね。
覚えておくべきこととして、会社を相手にする仕事(B to Bビジネス)は、日々プレッシャーと向き合わなければいけない厳しい世界であるということです。
4. Webマーケは総合格闘技に近い
Webマーケティングは何をしている仕事か分かりません。そのイメージ通りです!Webマーケの仕事内容は多岐にわたるため、平たく言えば「何でもできなければいけない」ということでもあります。
身につけるべきITスキルは多く、いわば総合格闘技のようなものと思ってください。しかし、これは仕事をしていく中で自然と習得できるものばかりです。ちなみに、プログラミングやコーディング知識は不要です。
少し難しい話になるかもしれませんが、Webマーケターがどんな仕事をするのか、マーケティングの3つの流れで見てみてください。
- 人を呼ぶ:多くの人に、Webサイトに訪れてもらう必要があります。リアルな商売の話でも同じように、お店に人を集客しなければいけないですよね。これをWebマーケではWeb集客と言います。例えば、SEO対策や、Web広告などがあります。
- 人をもてなす:訪れたWebサイトに満足してもらいます。簡単に言えば、訪問したサイトに「いいね」を押したくなる、そんな感覚です。これをWebマーケではWeb接客と言います。例えば、LP改善やヒートマップ分析などがあります。
- 人にまた来てもらう:「また来てくださいね」、お店を出る前に必ずこの言葉を言われる理由は、再度店舗に来店してほしいからですよね。Web上でも、このような再来訪施策を行います。リマーケティング広告、メルマガ配信などがあります。
Webマーケティングは、人を集客すること、Webサイトを改善して「オモテナシ」力を上げること、リピート客を増やす計画、など色んな角度から施策を考える必要があります。
かっこ良く言えば、Webでどう勝つか戦略を立てるということです。興味がある方は、Web戦略の立て方と考え方のフレームワークについても見てみてください。
さらに詳細に、Webマーケターの一日の仕事内容を見てみましょう。
- 午前:前日のデータをチェックします。広告のレポートや、Web上の数値確認などです。
- 日中:午前の分析を元に、どのような改善ができるか、施策を考えていきます。お客様へ報告に行くこともあります。
- 夕方:改善プランを実行していきます。トライアンドエラーの繰り返しです。
このように、数字を分析して、お客様へ報告して、次の改善策を考える。ここまで全体の流れを一人のWebマーケターがこなしていくのですね。
実際はそこまで難しく考える必要はありません。Webマーケティングの施策を考えるのは、学生の文化祭で人を集めて、どうしたら楽しんでもらえて、また来てもらえるか、ということと考え方は一緒です。
Webマーケティングの仕事一つ一つは地味ですが、Webディレクターになれれば、文化祭のように自分で全て企画できるので楽しいですよ。
5. Webマーケティングは結果が全て
ある整体のお店が看板広告を出したとイメージしてください。電車から見える看板広告を見たことによって、お店にどれだけの人が来たか計算することはできますか?
これはかなり難しい問題です。お店に来た人が看板広告を見たかどうか集計するためには、来た人全員にアンケートを取るか、直接質問しなければいけないからです。
ところが、Webマーケティングになると話は違います。Webマーケは人が広告を見た数、広告をクリックした数、お店の予約をした数、実際に来た数、これら全てを「正確に」計測することが可能です。
このようなデータを正しく全て集めて分析することができる一方で、やはりその結果には嘘はないからこそ、明確な成果を求められてしまいます。
「今日は何となく人が多かったですね」では通用せず、「今日の広告を1000人が見て、100人がクリックし、10人が来店しました」。ここまでの成果報告が必要になります。
左脳が必要と言ったのはこのような理由からです。いかに面白そうな魅力的なマーケティングプランを企画提案しても、厳密な結果を数字で出せないと、認めてもらえないというしんどさがあるのですね。
Webマーケティングがしんどくなる前にすべき3つのこと
Webマーケティングがしんどい...そのような時にするべき対処法は何でしょうか?長い間Webマーケ業界にいたリアルな体験から、すぐに実行すべきアクションプランを紹介します。
今Webマーケ現役でつらいから辞めたいという人、未経験で不安な人、このような方は必見です。
1. Webマーケは勉強したり本を読むしかない
Webマーケティングの仕事をしていて行き詰まる時に、上司に聞いても分からず、自分で抱え込んで悩んでしまうということはあります。
そのような問題に直面する時に解決するためには、自分で勉強をするのが一番の近道です。
どのマーケターも初めから完璧にできる人はいません。仕事をしながら失敗して、そこから学び、それでも難しい時には独学で本を読んだりするのも必要でしょう。
僕も未経験者で始めた時、Webマーケティングの基本的なことを経験者から教わりながら、さらに体系的に理解するために独学で本を読み、GoogleAnalyticsの資格の学習もしましたよ。
恐らく読者の方に役立つのは、数十冊の中から厳選したWebマーケティングのおすすめ書籍のリストです。
他にも、Webマーケティングのスクールに通ったり、他のマーケターと交流したり、地味な努力も大切です。
2. Webマーケターは市場価値が高いと知ること
これからのWebマーケティングは間違いなく需要が爆発的に増加します。
Webマーケティングの将来性を予測した記事でも書きましたが、Webマーケターのようなデジタル人材は、今後あらゆる業界から引っ張りだこになるでしょう。
理由はシンプルです。どんな企業も会社概要が掲載されたWebサイトを持っていて、インターネット上でビジネスを発信していない企業は存在しないからですね。ビジネスに必要なGoogle広告などのWeb広告の仕組みなども知れます。
さらに言えば、コロナによってリモートやDX(デジタルトランスフォーメーション)が進んで、オフラインに依存しないWeb上でのマーケティングが必須の時代になっているからです。Webマーケの延長線上にあるデジタルマーケティングを学べば、様々な一流企業で幅広く活躍できるでしょう。
しんどいと感じた時は、今の自分のWebマーケティングという仕事がつらくても、今後市場価値の上がるスキルになると確信して進みましょう。
現に僕の体験談としても、独立してフリーランスになった時にWebマーケの仕事は常にありましたし、コロナの後ではさらに仕事の依頼が増えました。Webマーケで時代の波に乗りましょう。
3. 辞めたいならやめていい
少し無責任に聞こえるかもしれませんが、現状を変えるためには、これは本当に現実的なアイデアです。
Webマーケティングは、会社の属性や規模、部署、商流、また扱う商材やマーケティングの手法によって、仕事内容はバラバラです。
そのため、Webマーケティングの仕事が大変だと感じる時は、環境を変えてみることです。部署や会社が異なれば、Webマーケの業務内容も異なります。
特にベンチャー企業のWebマーケティングは激務である傾向があります。少し大きな会社に移ってみると、転職先のマーケティングが楽しくなったというWebマーケ仲間をたくさん見てきましたよ。
特に、年収が低いことに不満を持っている方は、すぐに他のWebマーケティング会社へ転職することをおすすめします。他社で培われるスキルやノウハウは重宝されるからです。ちなみに僕は、100万円以上も年収が上がりました。
僕も体験談として、Webマーケティング会社を転職した時に、今までのやり方が完全に仕組み化して一新したことがありました。独立して解放的に仕事ができるようにもなりました。
さらに別の選択肢:どうしても辞めれない場合は、Webマーケティング職で働きながら副業をしましょう。副業禁止でも副業はバレないですし、逆に言えば今の時代、僕のように副業をしないとヤバいとも考えています。
最終的に:Webマーケティング業界はしんどい以上に将来性がある
デジタルトランスフォーメーション、アフターコロナ、ニューノーマル、こういった最新のキーワード全てに共通して必要なのは、WebなどのITを使える人材です。
過去に人があまりチャレンジしてこなかった産業分野こそWeb業界であり、今現在まさに注目されているのがWebを使ったビジネスです。
社会に出てからずっとWeb領域にいた身としても、知らないからこそやや偏見のある大変さやつらさが、世間のイメージとして先行してしまっていると感じています。
以下に結論として、Webマーケティングがしんどいと感じている現役、そして不安になっているWeb業種に未就職である方向けに、明確なアクションプランを示します。
既にWeb業界にいる方は、別のWebマーケティング会社に転職しましょう
これから初めてWeb業界を検討している方は、未経験OKの就職サイトで探しましょう。
Webマーケティングは、Webマーケの世界に飛び込まないと学べません。僕もそうしたように、初めの一歩を踏み出して、理想のキャリアを歩んでみましょう。